鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアの手術方法と術式選択のポイントを解説!

千葉県袖ケ浦市の鼠径ヘルニア専門クリニック「Kenクリニックそけいヘルニア手術センター」です。当クリニックでは、鼠径ヘルニアを日帰り手術ならびに1泊2日などの短期滞在で治療しています。

この記事では、「鼠径ヘルニアの手術方法と術式選択のポイント」についてご紹介をします。

鼠径ヘルニアとは

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鼠径ヘルニアとは、体の組織や臓器が本来あるべき場所から飛び出てしまう状態を指します。その中でも、鼠径部と呼ばれる足の付け根より少し上の部分から発生するヘルニアのことを鼠径ヘルニアと言います。

鼠径ヘルニアでは、鼠径部に腸などの腹腔内(お腹の中)にある臓器が筋肉や腱組織の外に脱出した状態が起こります。通常、胃や腸などのお腹の臓器のほとんどは、腹膜という袋(嚢)に包まれており、この腹膜はすべて筋肉や腱組織に覆われているため、腸などの腹腔内臓器が筋肉や腱組織の外側に脱出することは絶対にありません。

そのため、鼠径ヘルニアは腹腔内の臓器が筋肉や腱組織の外に脱出するという異常な身体的状態が生じていることになります。

鼠径ヘルニアの手術の方法(術式)

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鼠径ヘルニアの手術には、外科手術の中でも多くの方法(術式)が存在します。

鼠径ヘルニアは再発や慢性疼痛などの術後の合併症により、生活レベルが悪化するリスクがあり、それゆえ単純な手術とは言えません。具体的な鼠径ヘルニアの術式については、以下の方法が挙げられます。

1.組織修復法

欠損した部分を筋肉や腱組織で密に縫合し修復する方法

利点:人工物を必要としない。
欠点:再発が多く、術後の痛みも強い傾向にあること。

2.人工被覆材(メッシュ)を使用した鼠径部切開法

鼠径部を切開し、穴の開いた衣服に継ぎ当てをするように筋肉や腱組織が欠損した部分にメッシュを覆い修復する方法

利点:組織修復法に比べ再発が少なく痛みが少ない。
欠点:人工物を使用すること。

3. 人工被覆材(メッシュ)を使用した腹腔鏡手術

鼠径部を切開することなく、お腹に5mmから1cm程度の3つの穴を開け、腹腔内あるいは腹膜外を経由して筋肉や腱組織が欠損した部分にメッシュを覆い修復する方法

利点:鼠径部切開法に比べ痛みが少ない傾向にあること。
欠点:人工物を使用すること。

鼠径ヘルニアの術式選択のポイント

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鼠径ヘルニアの手術における方法(術式)として、鼠径部切開法、腹腔鏡手術、および組織修復法が主に挙げられます。

それでは、どの術式をどのような状況で選択すべきでしょうか。鼠径ヘルニアの手術を行う際の術式選択のポイントは以下の通りです。


1.年齢や性別、基礎疾患の有無やその種類、腹部手術の経歴など、患者さんの状態を考慮した手術方法を選択する。

2.手術を行う外科医が最も得意とする手術方法を選択する。


参考までに、術式選択の具体的な事例として以下の内容が挙げられます。

例1:開腹手術の経験があり(手術の種類による)、腹部に癒着がある可能性が考えられる方には、腹腔鏡手術は推奨されない。

例2:心臓や肺に重い疾患がある方には、心臓や肺への負担を考慮して、腹腔鏡手術は推奨されない。

例3:基礎疾患や手術経験がない方には、鼠径部切開法よりも比較的痛みが少ないとされる腹腔鏡手術が推奨される。

例4:多少の癒着が考えられる腹部手術の経験がある方でも、腹腔鏡手術を得意とする外科医が行う場合、腹腔鏡手術が推奨される。

鼠径ヘルニアの術式を選択する際は、患者さんの状態を考慮し、さらに外科医が得意とする手術方法も加味して判断されるのがポイントです。

鼠径ヘルニアの治療はKenクリニック

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千葉県袖ケ浦市のKenクリニックそけいヘルニア手術センターは、鼠径ヘルニアに特化した短期滞在型手術を専門とするクリニックです。当院は入院施設を併設しており、日帰り手術だけでなく、1泊2日などの短期滞在による治療も可能です。

診療を担当する山本海介医師は、鼠径部切開法で2000症例以上、腹腔鏡手術で1000症例以上の経験があります。この豊富な経験を活かして、患者さんの病状に適した最適な治療を提供しています。

鼠径ヘルニアの症状でお悩みの方は、ぜひ当院を受診ください。

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