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鼠径ヘルニア

鼠径ヘルニアの初期症状|放置してはいけない「膨らみ」や「痛み」について

千葉県袖ケ浦市の鼠径ヘルニア専門クリニック「Kenクリニック」です。当院では、鼠径ヘルニアを日帰り手術で治療しています。

本記事では、鼠径ヘルニアの初期症状や放置によるリスク、そして治療法について解説します。ぜひご参考ください。

鼠径ヘルニアの初期症状とは?

鼠径ヘルニアの症状

鼠径ヘルニアの主な初期症状として、次のようなものが挙げられます。これらはいずれも鼠径ヘルニアに特徴的な症状です。

症状は初めのうちは軽いことが多いですが、時間の経過とともに膨らみが大きくなったり、違和感や痛みが強くなる場合もあるため、早めの受診が大切です。

鼠径ヘルニアの初期症状

□ 足の付け根にポッコリとした膨らみが出てくる。
□ 膨らみは手で押さえたり、横になったりすると消失する。
□ 長時間の歩行や立位で足の付け根に違和感や痛みを感じる。

鼠径ヘルニアの発症原因

鼠径ヘルニアの診察

鼠径ヘルニアの発症原因は、生まれつきの「先天性」と、生後に起こる「後天性」に分けられます。

先天性の鼠径ヘルニアは、生まれたときから鼠径部に「ヘルニア嚢(腹膜が袋状に飛び出した状態)」が存在していることが原因です。そのため、乳児期や幼少期に発症するケースが多くみられます。

一方、後天性の鼠径ヘルニアは、加齢や生活習慣によって腹壁の筋肉や組織が弱まり、そこに腹圧がかかることで発症します。重い荷物を持ち上げる仕事、慢性的な咳、便秘、肥満、妊娠などによって腹圧が上昇することも発症の一因です。

また、遺伝的な体質も関係しており、もともと筋膜や結合組織が弱い方は、加齢による筋力低下が重なることで発症しやすくなります。さらに、身体の構造上、男性は女性に比べて鼠径部にある鼠径管の構造が弱く、鼠径ヘルニアを起こしやすい傾向があります。

そのため、成人の鼠径ヘルニアは特に高齢男性に多くみられる疾患です。

鼠径ヘルニアの進行と注意が必要な症状

鼠径ヘルニアの診察

鼠径ヘルニアは、初期症状の段階では「足の付け根に小さな膨らみが出る」「違和感がある」といった軽い症状にとどまることが多い病気です。しかし、時間の経過とともに次第に膨らみが大きくなり、放置すると危険な状態へ進行することがあります。

進行すると、膨らみが出たまま戻らなくなったり、痛みが強くなったりする場合があります。特に、次のような症状が見られる場合は注意が必要です。

  • 膨らみが押しても戻らなくなった
  • 膨らみの部分が硬くなって痛みが強い
  • 吐き気や嘔吐、発熱を伴う

これらの症状がある場合、危険な合併症である「嵌頓(かんとん)」を発症している可能性があります。

危険な合併症「嵌頓」について

鼠径ヘルニアの症状を放置すると、徐々に悪化し、日常生活に支障をきたすだけでなく、命に関わる危険な状態へ進行することがあります。その危険な状態を「嵌頓」と呼びます。

嵌頓とは、筋肉のすき間から脱出した腸が締め付けられ、お腹の中に戻らなくなった状態を指します。この状態が長く続く(一般的には12時間以上)と、腸への血流が遮断され、壊死を起こす危険性があります。

鼠径ヘルニアの嵌頓

腸が壊死すると、腹膜に炎症が広がり「腹膜炎」という重篤な状態に進行します。腹膜炎を発症すると、腹部の激しい痛み、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れ、緊急手術が必要となる場合があります。

このように、鼠径ヘルニアは放置すると危険な合併症を引き起こす可能性があります。嵌頓を防ぐためにも、早期の受診と治療が重要です。

鼠径ヘルニアの治療法

診察

鼠径ヘルニアの治療は、手術によってのみ行われます。鼠径ヘルニアは放置しても自然に治ることはなく、薬で治療することもできません。

手術方法は大きく「鼠径部切開法」と「腹腔鏡手術」の2種類に分けられます。
鼠径部切開法は、鼠径部を直接切開し、穴の開いた衣服に継ぎを当てるように、筋肉や腱組織の欠損部を医療用メッシュで補強・修復する方法です。一方、腹腔鏡手術は鼠径部を切開せず、お腹に5mm〜1cmほどの小さな穴を3か所開け、腹腔内または腹膜外からアプローチしてメッシュを用いて修復します。

どちらの手術法を選ぶかは、患者さんの年齢や性別、基礎疾患の有無、再発の有無、日常生活の状況などを総合的に考慮して決定されます。また、執刀する外科医が最も得意とする術式を選ぶことも、重要な判断基準のひとつとなります。

まとめ|鼠径部のふくらみや痛みがあれば早めに受診を

待合

鼠径ヘルニアは、初期のうちは「足の付け根に小さな膨らみがある、違和感がある」といった軽い症状から始まります。しかし、放置すると膨らみが大きくなったり、違和感や痛みが強くなったりするだけでなく、腸が締め付けられる「嵌頓」という危険な状態に進行することがあります。

嵌頓を起こすと、腸の血流が途絶え、壊死や腹膜炎を引き起こすおそれがあり、命に関わるケースもあります。「少し気になる程度だから」と放置せず、早めに専門医を受診することが大切です。

「足の付け根の膨らみ」や「違和感・痛み」を感じた場合は、自己判断せず、できるだけ早く医療機関に相談してください。

鼠径ヘルニアの治療はKenクリニック

山本海介医師

千葉県袖ケ浦市のKenクリニックは、鼠径ヘルニアに特化した専門クリニックです。当院では、鼠径ヘルニアを日帰り手術で治療しています。

診療を担当する山本海介医師は、鼠径部切開法は約2,000症例、腹腔鏡手術も約2,000症例の手術実績があります。この豊富な経験を活かして、患者さんの病状に適した治療を提供しています。

鼠径ヘルニアや鼠径部の症状でお悩みの方は、ぜひ当院を受診ください。

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