千葉県袖ケ浦市の鼠径ヘルニア専門クリニック「Kenクリニック」です。
当院では、鼠径ヘルニア（脱腸）を日帰り手術で治療しています。
この記事では、「高齢者に多い鼠径ヘルニア（脱腸）を放置する危険性」について解説します。
鼠径ヘルニアとは
鼠径ヘルニアとは、一般的に脱腸とも呼ばれる病気で、鼠径部に発生するヘルニアのことを指します。ヘルニアは、体の組織や臓器が本来あるべき場所から飛び出てしまう状態を意味します。
鼠径ヘルニアでは、鼠径部に腸などの腹腔内（お腹の中）にある臓器が筋肉や腱組織の外に脱出した状態が起こります。
通常、胃や腸などのお腹の臓器のほとんどは、腹膜という袋（嚢）に包まれており、この腹膜はすべて筋肉や腱組織に覆われているため、腸などの腹腔内臓器が筋肉や腱組織の外側に脱出することは絶対にありません。
そのため、鼠径ヘルニアは腹腔内の臓器が筋肉や腱組織の外に脱出するという異常な身体的状態が生じていることになります。
鼠径ヘルニアの主な症状は、鼠径部のしこり（膨らみ）です。
その膨らみは、立位でみられ、仰向けの状態では消失する傾向があります。また鼠径部の痛みも、鼠径ヘルニアの症状の一つです。
鼠径ヘルニアが高齢者に多い理由
鼠径ヘルニアは、小児から高齢者まで発症する病気です。その中でも成人においては、高齢男性に多く見られます。
鼠径ヘルニアを発症する原因の一つに「加齢」が挙げられます。加齢により、鼠径部の筋肉や腱組織が弱くなり、欠損部が発生して鼠径ヘルニアを引き起こします。
また、身体の構造として、男性は鼠径管の構造が弱くなっています。男性の精巣は胎児期に腹腔内に位置し、妊娠期間中に腹腔から鼠径部を経由して陰嚢へ移動します。この移動過程である鼠径管を通る際の穴や通路が構造的に弱くなっています。
この男性特有の身体的構造に加え、加齢による筋力の低下などの鼠径ヘルニアの発症要因が重なることで、発症リスクが高まります。このような背景から、鼠径ヘルニアは高齢男性に多く見られる傾向があります。
鼠径ヘルニアを放置すると危険
鼠径ヘルニアですが、初期段階では症状があっても日常生活に支障をきたすことは少ないこともあり、放置される方も少なくありません。
しかし、鼠径ヘルニアを放置することは危険です。
鼠径部の膨らみといった症状を感じながらも放置をすると、症状が悪化し、日常生活に支障をきたす可能性があります。また鼠径部の痛みが強くなった場合、危険な状態である「嵌頓（かんとん）」を引き起こしている可能性もあります。
危険な状態「嵌頓」
嵌頓とは、筋肉の欠損部から脱出した腸がその部位で締め付けられ、お腹の中に戻れなくなった状態を指します。
嵌頓が長時間続く（通常12時間以上）と、腸への血流が途絶え、壊死を引き起こす可能性があります。
腸が壊死すると、腹膜に炎症が起こり、「腹膜炎」という病態に進行します。腹膜炎が発生すると、腹部に激しい痛み、吐き気、嘔吐などが伴い、場合によっては命に関わる危険性があります。
そのため、鼠径ヘルニアは放置せず、早期に専門の医療機関を受診して適切な診断を受けることが重要です。
まとめ
この記事では、「高齢者に多い鼠径ヘルニア（脱腸）を放置する危険性」について解説しました。
鼠径ヘルニアは、男性特有の身体的構造に加え、加齢による筋力の低下などの発症要因が重なり、高齢男性に多くみられる病気です。この鼠径ヘルニアを放置すると、危険な状態である「嵌頓（かんとん）」を引き起こす可能性が高まります。
そのため、鼠径ヘルニアは放置せず、早期に専門の医療機関を受診して適切な診断を受けることが重要です。
鼠径ヘルニアの治療はKenクリニック
千葉県袖ケ浦市のKenクリニックは、鼠径ヘルニアに特化した専門クリニックです。
当院では、鼠径ヘルニアを日帰り手術で治療しています。
診療を担当する山本海介医師は、鼠径部切開法で2000病変以上、腹腔鏡手術で1000病変以上の経験があります。この豊富な経験を活かして、患者さんの病状に適した最適な治療を提供しています。
鼠径ヘルニアや鼠径部の症状でお悩みの方は、ぜひ当院を受診ください。
著者情報
Kenクリニックは、鼠径部ヘルニア手術を中心に行う短期滞在型手術専門クリニックです。
当院は、「鼠径部ヘルニア」中心の治療に特化した短期滞在型手術を専門とした医療を通じて地域医療に貢献します。